管理者向け健康経営セミナーの開催報告と実践事例
企業での健康経営の支援をスタートする際に、経営者は健康経営について勉強をされており
必要性なども感じている一方で従業員が健康経営について理解をしていないという状況はよくあります。
そこで弊社では健康経営支援の際に「管理者向け健康経営セミナー」を実施することがあります。
健康経営を実践していくにあたって管理者は部下に対して会社が行う各種取り組みに参加を促すという非常に重要な役割を担うことが重要です。
弊社では管理者に対し健康経営の背景から取り組むべき内容などをできるだけ分かりやすくお伝えさせて頂き
実際にミニ健康セミナーや健康測定会を合わせて行うことで、管理者自身の健康意識を高めることも行っています。
健康経営について参加者の方々からは、「これなら自社でも実践できる!」という前向きなご意見をいただくことが多いです。
そこで今回は実際に管理者向け健康経営セミナーの内容を簡単にご説明します。
健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。
なぜ健康経営が必要なのでしょうか。
日本は世界の中でもトップレベルの高齢化率が今後さらに高まる上に、日本の総人口はこれまでに見ないレベルで急減少していくと言われています。
それに伴い中小企業ではこの10年、慢性的な人手不足が続いています。
沖縄では99.9%が中小企業であるため、影響も大きいと考えられます。人口は減少し、高齢者の割合が増えることで、医療費の増加は止まりません。そのため、医療費の増加は健康保険料として上乗せされていくため、給料が増えても社会保険の天引きが増加してしまいます。
沖縄県の平均寿命を見てみると、男性は全国で43位、女性は16位と長寿県から遠のいています。その上、沖縄県の働く世代の有所見率は12年連続ワーストを記録しています。
そのため、健康を向上させるために食生活・飲酒・運動習慣の改善が重要になってきます。
ある企業を例に、実際に健康経営を実践を紹介します。
この企業では、5段階に分けて従業員の健康の意識改革に取り組みました。
STEP1:健康経営宣言の実施
まずは、経営者がメッセージと共に社内外へ発信をすることで健康経営をスタートさせ、できるだけ具体的なメッセージが重要になります。
こちらの企業では、「社員の健康と幸福を最優先に考えると共に、働きやすい環境をつくり、組織全体で健康経営を推進します。そして共に成長し、持続可能な未来を築き、社会貢献できるよう全力で取り組みます。」と宣言しました。
STEP2:担当者の決定
健康づくりも事業運営と同じく、リーダーが中心となって、各部署と連携しながら取り組みを進めることが重要です。
必ずしも管理職が担当者でなくてもよく、適任な従業員を話し合いの上決定すると良いでしょう。
リーダーが全て決めるのではなく、あくまでも他部署との連携などにおける代表者ですので、具体的な取り組みなどは各部署の全員が当事者意識を持って取り組みの検討や参加を積極的に行えることが大切だと伝えました。
STEP3:定期健康診断の受診率向上
健康課題を発見するために最も重要なのは、健診受診を100%実施することです。従業員にも理解をしてもらいながら会社の取組に積極参加を促しました。
そのために従業員が健診を受診しやすい体制や補助などを実施することが大切です。
STEP4:健康課題に応じた取り組みの実践(スモールスタート)
最初は小さなことからスタートすること、例えば、朝礼でのラジオ体操、社内での健康情報の提供、運動のイベントを実施。課題に応じた取り組みを従業員と一緒に検討し、課題に応じた取り組みを従業員と一緒にスタートしました。
しかし、担当者に負担が大きくならないように役割分担も大切です。
STEP5:健康経営実践後の評価と改善
ただ実施するだけでなく、従業員の心身の状態や健康に対する意識の向上など小さな変化も含めて効果を確認しながら取り組みのレベルアップも図ることが重要となります。
例えば、健康診断の結果や従業員アンケートなどを取り入れ、見直すことにより、より健康への意識が高まっています。
健康経営をより良い会社を目指すための1つの手段として継続して取り組むことで様々な効果が期待されます。
取り組みの継続、そして社会への発信により社会全体へ影響を与えていくことができるはずです。
先ほど例に挙げた企業も、健康経営を始めることによって、従業員の意識が大きく変わったようです。
健康経営について少しでも理解できたでしょうか?健康経営にご興味を持たれた方は、ぜひセミナーにご参加ください。
健康測定会では、実際に体組成計や血管年齢測定を体験していただけます。セミナーに参加された方からは、「自社ではこうしたいな」といった様々なアイデアが生まれています。
ぜひセミナーに参加して、管理者の皆さんで健康経営の実践を目指しませんか?
一般社団法人SWITCH Labo.
代表理事
久高 有加(くだか ゆか)
[経歴]
早稲田大学スポーツ科学部卒業。学生時代はスポーツトレーナーとして活動。
その後企業での営業職を経て、コンディショニングトレーナーとして主に働く人の姿勢改善による慢性的な肩こりや腰痛改善の指導経験を積む。
2019年から独立し企業研修や専門学校講師として運動や栄養に関する専門家として事業展開を行い、2020年にSWITCH Labo.を設立。
企業の健康経営支援や、企業と連携した地域住民向けの健康づくりイベントの企画運営、地域の自然を活用したSUPなどのアウトドアスポーツのプログラム企画などを行う。
2024年3月には沖縄県名護市の名桜大学大学院にて健康経営に関する研究を行い修士号を取得。
すべての人の健康づくりのきっかけを支援することを目指して事業展開を行う。